【愛犬の噛み癖】犬が噛みつくのには理由があります。直すためにはやみくもに怒らず適切に対処しよう。
犬は素直で可愛らしく、人懐っこい生き物です。
飼い主と一緒に遊んだり散歩に行ったりと、ペットではなく家族の一員として暮らしている方も多いでしょう。
しかし一方で、家族に噛みついたり家具やクッションなどに噛みついたりして、対応に困ってしまう飼い主さんも少なくありません。
そこで今回は、犬が噛みつく原因と対処法についてまとめました。
「最近よく噛みつくようになった」「他人に噛みつきそうで散歩に行きづらい……」と悩んでいる飼い主さんは必見です！
そもそも犬が噛みつくのは本能であることを理解する
犬が噛みつく行動は、彼らの本能的な行動の一部です。
噛む行為の本質を理解することは、適切な対処法を見つける第一歩になります。
犬は噛むことでコミュニケーションを取ったり、状況を理解しようとしたりします。
噛み癖を適切にコントロールするためには、子犬の時期からのしつけや訓練が欠かせません。
また、犬が噛みつく理由には個体差があり、ストレスや遊びの一環、病気や体調不良などさまざまです。
犬の性格や状況に応じて、噛みつく行動を理解し、適切に対処できるようになりましょう。
犬が噛みついてしまう5つの理由とは？
本章では、愛犬が噛みついてしまう5つの理由を解説します。
理由を理解することで、適切に対処ができるようになるでしょう。
歯の生え変わりによる口の違和感
子犬は歯が生え変わる時期に、口内に違和感を覚えることがあります。
歯がムズムズするのを解消しようとして、飼い主やおもちゃ、家具などに噛みついてしまいます。
歯の生え変わり時期は生後4～5ヶ月ごろで、生え変わりが終わるのは生後7か月～1歳ごろが目安です。
定期的な歯のケアや適切な噛み物を与えることで、この問題を軽減することができます。
また、生え変わりが終われば、噛み癖はなくなるでしょう。
環境の変化によるストレス
犬は環境の変化に敏感です。
新しい場所や新しい家族構成、飼い主の変化などがストレスとなり、噛み癖を引き起こすことがあります。
新しい環境に慣れさせるためには、ゆっくりと慣らす工夫や安定感を与えることが大切です。
病気や怪我などによる体調悪化
犬が体調を崩すと、不快感や痛みからストレスを感じ、噛みつくことでストレスを発散しようとするケースがあります。
例えば、体の一部に怪我をしている箇所があって、そこを触られると噛みついてしまう場合などです。
突然噛みつく行動が目立つようになったら、体のどこかにケガや異物がないか確認してみましょう。
飼い主さんで判断できないときは、速やかに獣医師の診察を受けてください。
病気や不調が原因の場合は、その問題を解決することで噛み癖も改善されます。
本能的な行動
犬が噛むのは本能的な行動です。
遊びや狩猟などの本能が刺激されたときに、噛みつくことがあります。
突然後ろから触ったり、犬の食事中にちょっかいを出したりといったことは避けましょう。
しつけや訓練を通じて、適切な噛み方を教えることも大切です。
甘えや遊びの延長
犬が甘えたり遊んだりするときに、噛みつくことがあります。
これは遊びの延長やコミュニケーションの一環として、日常的に行われることがあります。
しかし、噛む力の調整ができていない場合は、人を傷つけてしまうこともあるの要注意です。
犬との遊びのルールを明確にし、適度な遊びができるよう訓練しましょう。
犬が噛みつく原因をシーン別に解説
犬が噛みつく行動はシーンによって異なる場合があります。
それぞれのシーンごとに、噛みつく原因と対処法を解説します。
家族の服や体に噛みつく
犬が家族の服や体に噛みつく場合、それは遊びや甘えの表現の一つです。
犬は口を使ってコミュニケーションを取る習性があります。
「もっと構ってほしい」「散歩に連れてってほしい」というサインかもしれません。
毎日、定期的に遊んだり散歩に連れて行ったりすることで、突然の噛みつきをなくすことができます。
また、噛みつく力を抑えたり、適切な噛み方を教えたりすることで、この行動をコントロールしましょう。
物や家具に噛みつく
犬が物や家具に噛みつく場合、それはストレスや退屈からくる行動です。
子犬の場合は、歯の生え変わりによる違和感の可能性もあります。
適切な噛み物を与えたり、適度な運動や刺激を与えることで、噛みつく行動を軽減させましょう。
また、しつけを通じて正しい行動を覚えさせることも重要です。
自分の足に噛みつく
犬が自分の足に噛みつく場合、それは遊びや不安の表現の一つです。
また、単なる暇つぶしや、皮膚病・ダニによるかゆみなども考えられます。
犬は自己刺激やストレス発散のために、自分の体を使う生き物です。
適切な遊びやリラックスする時間を与え、不安を軽減することで、噛みつく行動を減らすことができます。
愛犬が噛む癖を治すための方法
愛犬の噛み癖を改善するためには、適切な方法やアプローチが必要です。
以下では、その方法について解説します。
飼い主とのスキンシップ
愛犬とのスキンシップは非常に重要です。
愛情を感じたり、不安を解消したりするために噛む犬もいます。
定期的な家族との遊び時間を設けることで、犬が安心感を得られるようにしましょう。
子犬の段階からのしつけ
愛犬が噛む癖を治すためには、子犬の段階から適切なしつけが欠かせません。
寂しさや運動不足による噛みつきは、予防が効果的です。
飼い主は積極的に犬とスキンシップを取り、充分な運動時間を提供しましょう。
もし噛まれてしまった場合は、怒らずに犬から距離を置くことが大事です。
噛んだ瞬間に遊びを中断し、犬にとってつまらない状況を作ることで、噛みつく行動を無くすように学習させます。
一方で、大きな声で驚かせたり体罰を与えると、犬が恐怖心を抱き、噛み癖が悪化する恐れがあるため避けましょう。
しつけは、「噛みつくと楽しくなくなる」という学習を重視し、楽しい状況を提供しないようにすることがポイントです。
噛むことは悪いことだと認識させる
愛犬が噛む癖を治すためには、まず噛むことが悪いことだと認識させることが重要です。
噛まれた場合は、「痛い！」「やめて！」と伝え、大げさな反応をせずに部屋から退出し、数分程度待ってください。
この行動を繰り返すことで、愛犬は「噛んだら飼い主がいなくなる」「噛んだら楽しくないことが起こる」と学習し、噛み癖を改善することができます。
ただし、部屋の中に他の人がいたり、遊べるおもちゃがあったりする場合は学習しないかもしれません。
孤独を感じさせることがポイントになるので、しつけに適した状況を整えましょう。
また、リアクションする際は大声で叱責せず、少し驚かせる程度にしてくださいね。
噛みつき防止グッズを活用する
噛みつき防止グッズは、愛犬の噛み癖を抑制するのに役立ちます。
例えば、噛みつき用のおもちゃやゴムのボールなどを活用することで、犬の噛みつきをコントロールすることができます。
ただし、これらのグッズはしつけと併用することが重要です。
愛犬が噛むときに飼い主がやってはいけないこと
愛犬が噛んでしまうときに、飼い主が注意すべき行動について説明します。
以下の行動は問題を悪化させる可能性がありますので、避けるようにしましょう。
大声で怒鳴る
愛犬が噛むときに大声で怒鳴るのは良くありません。
犬は怒られることでストレスを感じ、噛む行動が悪化することがあります。
穏やかに対応し、冷静に状況を把握することが重要です。
ごはんを与えない
愛犬が噛むからといって、ごはんを与えないようなしつけは適切ではありません。
これは犬にとって混乱を招くだけでなく、健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。
噛み癖の解決には他の方法を試しましょう。
犬の要求を何でも叶えてしまう
犬の要求を何でも叶えてしまうことは、噛む癖が悪化する可能性があります。
「噛んだらおやつがもらえる」「噛むということを聞いてくれる」と勘違いし、噛む行動が増えるかもしれません。
適切な訓練やルールを作り、犬との良好な関係を築きましょう。
【Q&A】犬の噛みつきに関する質問
犬の噛みつきについてよくある質問にお答えします。
家族でも噛む人と噛まない人がいるのはどうして？
犬が家族の中で特定の人を噛む理由はさまざまです。
犬はコミュニケーションや意思表示のために噛むことがあります。
例えば、食事の邪魔をされたり、触られたくない部位を触られたりすると、犬は不快感やストレスを感じて噛みつきます。
また、犬が遊びに誘ってきたときに応じてしまうと、噛みつく行動を遊びの一環と誤解されることも少なくありません。
「噛んだら遊んでくれる」と認識されないよう、家族でルールを決めると良いでしょう。
犬が本気で噛んだらどれくらい痛い？
犬の噛みつきは非常に強力であり、小型犬であっても大きなダメージを与えることがあります。
例えば、ジャーマン・シェパードなどの大型犬の噛む力は、200kgを超えることもあります。
噛まれた場合は深刻なケガを負う可能性があり、事故やトラブルを防ぐためにも適切なしつけが必要です。
愛犬が他人に噛みついた場合はどうする？
愛犬が他人や他のペットを噛んだ場合、治療費や慰謝料などの損害賠償費用が発生する可能性があります。
賠償金は数十万円から数百万円に及ぶこともあり、場合によっては1,000万円を超えることもあります。
噛み癖がひどい場合は、ペット賠償責任特約をつけたペット保険の加入を検討するとともに、適切なしつけや状況の把握、事前の予防策が必要です。
愛犬が噛むときは原因を理解して改善してあげましょう
愛犬が噛むときの原因や、その対処法について解説しました。
歯の生え変わりや環境の変化、体調不良などが噛み癖の原因となることもあります。
また、噛みついたからといって大声で怒鳴ったり、叩いたりするしつけは良くありません。
適切なしつけやスキンシップ、噛みつき防止グッズの活用などを通じて、愛犬の噛み癖を改善していきましょう。
