【ドッグフードの適正量】わんちゃんにとってごはんは健康維持に大切なものです。しかし適切な給餌量を知らないとかえって愛犬の健康を害してしまうことも・・・
愛犬の食欲が落ちたり、ドッグフードを拒否することに悩む飼い主さんは多いですね。
しかし、その原因はドッグフードの与え方にあるかもしれません。
パッケージの目安量だけを参考にせず、愛犬の体型や年齢に合わせて適切な量を与えることが重要です。
今回は、正しいドッグフードの与え方や注意点を詳しく解説します。
愛犬の健康を守るために、ぜひ参考にしてみてください。
ドッグフードの給餌量が適性かを見分ける方法
まず、愛犬に与えているドッグフードが適正量かを判断していきましょう。
1. 犬の年齢や体重に合わせた適正量の計算方法
愛犬の年齢や体重に応じて、適切なドッグフードの給餌量を計算する方法があります。
詳しい計算方法については、次の章で紹介していますので参考にしてください。
一般的に、成犬の場合は体重1kgあたり25〜30g程度の給餌量が推奨されます。
ただし、運動量や代謝率によって個体差があるため、常に犬の体調や様子を観察しながら調整するようにしましょう。
2. ドッグフードの栄養成分表を理解して給餌量を調整する方法
ドッグフードの栄養成分表を読み解くことは、愛犬の健康管理にとても重要です。
タンパク質や脂肪、炭水化物、ビタミン、ミネラルなどの栄養素が、バランスよく含まれているかを確認しましょう。
犬が適切なタンパク質を摂取しているかどうかは、毛艶や筋肉の状態などで判断できます。
必要に応じて、ドッグフードの種類や量を調整して栄養バランスを整えてください。
3. 愛犬の運動量や生活スタイルに応じた給餌量の設定
愛犬の運動量や生活スタイルによっても、給餌量を調整する必要があります。
積極的に運動する犬やアクティブな犬種は、通常よりも多くのカロリーを消費します。
そのため、運動量が多い場合は食事量を増やし、十分なエネルギーを補給するようにしましょう。
一方で、運動量が少ない犬や高齢犬は、過剰な給餌を避け、肥満や健康問題を予防するために適量を守ることが大切です。
愛犬の1日に必要なドッグフード摂取量の計算方法について
同じ犬種であっても、年齢や状態によって必要なエネルギーは異なります。
ここでは、愛犬の体重をもとに、1日に適切なフードの量を計算する方法を紹介します。
1. 1日に必要な摂取カロリーの計算方法
まずは、1日に必要な摂取カロリーを計算する方法からお伝えします。
1. 摂取カロリー量の計算方法
犬の1日のエネルギー要求量(DER)は、体重や成長段階によって異なります。
はじめに安静時のエネルギー要求量(RER)を計算し、活動係数を考慮して実際の摂取カロリー量を求めます。
安静時エネルギー要求量(RER)
RERとは、安静に過ごしているときの1日に必要なエネルギー要求量です。
STEP① 愛犬の体重(kg)を3乗する
STEP② √を2回押す
STEP③ 2で出た数字に70をかける
以下は、体重7kgの場合のRERの計算方法です。
STEP① 7×7×7=343
STEP② 343√√=4.3035170706
STEP③ 4.3035×70=301.25(約301kcal)
以下に、体重ごとのRERの数値をまとめています。
体重 | RER (安静時必要エネルギー量) |
---|---|
1kg | 70 |
2kg | 118 |
3kg | 160 |
4kg | 198 |
5kg | 234 |
6kg | 268 |
7kg | 301 |
8kg | 333 |
9kg | 364 |
10kg | 394 |
11kg | 423 |
12kg | 451 |
13kg | 479 |
14kg | 507 |
15kg | 534 |
16kg | 560 |
17kg | 586 |
18kg | 612 |
19kg | 637 |
20kg | 662 |
1日のエネルギー要求量(DER)
次に、1日に必要なエネルギー量について解説します。
DERとは、愛犬の体重や成長段階によって求められる1日に必要なエネルギー要求量です。
計算式は、『DER=RER×活動係数』で求められます。
活動係数は、以下の表を参考にしてください。
現在の状態 | 活動係数 |
---|---|
生後3カ月以内 | 3.0 |
生後4〜9カ月 | 2.5 |
生後10〜12カ月 | 2 |
成犬(避妊、去勢なし) | 1.8 |
成犬(避妊、去勢済み) | 1.6 |
肥満気味の成犬 | 1.4 |
減量中の成犬 | 1 |
シニア犬(避妊、去勢なし) | 1.4 |
シニア犬(避妊、去勢済み) | 1.2 |
以下は、体重7kgの肥満気味の成犬の場合の計算方法です。
301.246×1.4=421.7444(約422kcal)
これで、愛犬に必要な1日のエネルギー量がわかります。
2. 1日に必要なドッグフードの摂取量の計算方法
DERの数値がわかったところで、1日に必要なドッグフードの量を計算します。
1日のドッグフード摂取量を計算する方法は以下の通りです。
まず、1日に必要な摂取カロリー量(DER)を算出。
次に、ドッグフードのパッケージに記載されている100gあたりのカロリーを確認します。
最後に、1日のドッグフード摂取量を求めるために、DERを100gあたりのカロリーで割り、その結果に100をかけます。
この方法を使えば、愛犬に適した1日のドッグフード摂取量を具体的に計算することができます。
例えば、体重7kgの肥満気味の成犬で、ドッグフード300kcal/100gの場合は以下の通りです。
421÷300×100=140.333(約140g)
つまり、ドッグフードの量は1日140gが目安です。
1日にドッグフードを与える回数について
愛犬に適切な給餌回数を決める上でのポイントについて解説します。
幼年期
生後1年未満の幼年期と呼ばれる時期の犬は、まだ食べ物を消化する力が未熟で、一度に多くの食べ物を消化することができません。そのため、ドッグフードを与える際には以下のような工夫が必要です。
まず、幼犬にドッグフードを与えるのは、乳歯が生えはじめた生後1か月頃からです。
この頃は、一度に食べられる量も少なく、またドッグフードを消化する力も未熟なため、母乳と合わせて食事の回数を一日4回ほどに分けて与えることが推奨されます。
さらに、幼犬にドッグフードを与える際には、一度の量を小分けにして回数を増やしましょう。
例えば、1日の給餌量を3〜4回に分けることで、消化負担を軽減しやすくなります。また、ドッグフードをお湯でふやかして柔らかくしてあげることも有効です。
柔らかい食べ物は消化しやすいので、幼犬の消化器官が未熟な時期に適しています。
成犬期
成犬期の犬は、1日2回の給餌が一般的です。
朝と夕方に分けて与えることで、消化がよくなり、満腹感も得られます。
ただし、個体差や運動量、健康状態によっては、1日3回に分けることも検討しましょう。
シニア(老犬)期
一般的に、小型・中型犬では7歳〜8歳頃、大型犬では5歳〜6歳頃から老犬(シニア)期に入るとされています。
この時期は、犬の食欲や消化吸収力が徐々に衰えてくるため、ドッグフードの給餌方法にも工夫が必要です。
健康で食欲がある時期は、一日2回のままでも問題ありませんが、食事量は徐々に減らしていく方が良いでしょう。
成犬と同じ食事量を続けると、内臓に負担がかかる可能性があるため、適度な量を守ることが大切です。また、老犬期に入ったら体への負担を考慮し、食事を3回あるいは4回に分けることも検討してください。
小分けにすることで消化を助け、体への負担を軽減できます。
さらに、ドッグフードをお湯でふやかして柔らかくすることも有効です。柔らかい食べ物は、老犬の消化器官に負担をかけず食事を楽しめます。
ドッグフードの給餌量と同じくらい重要な3つのポイント
ドッグフードを選ぶ際には、給餌量に加えて以下のポイントも抑えましょう。
年齢に応じた栄養バランス
愛犬の年齢に合わせた栄養バランスを考慮することは非常に重要です。
幼犬、成犬、老犬それぞれに必要な栄養素が異なります。
例えば、幼犬は成長期であり、良質なタンパク質やカルシウムが豊富なドッグフードが最適です。
一方、老犬は消化吸収力が低下するため、消化しやすく栄養価の高いドッグフードを選ぶ必要があります。
原材料へのこだわり
ドッグフードの原材料には、品質や安全性が影響します。
良質な肉や魚、穀物、野菜などがバランスよく配合されているかを確認しましょう。
特に、添加物や防腐剤などの不要な成分が含まれていないかをチェックするこが大切です。
さらに、ヒューマングレードの良質な原材料を使ったフードや、製造工程の管理が徹底されているフードを選ぶことも、愛犬の健康にいい影響を与えるでしょう。
原材料にこだわったドッグフードを選ぶことで、愛犬の健康維持に役立ちます。
食事の満足度
愛犬が食事を楽しんでいるかどうかも、非常に大切なポイントです。
ドッグフードの味や食感、香りを確認し、愛犬が満足感を得られる食事を提供しましょう。
食事の満足度が高いと、愛犬の健康や幸福感にもプラスの影響を与えます。
ドッグフードの給餌量が適正でない場合のリスクとは?
ドッグフードの給餌量が適正でないと、愛犬の健康にさまざまなリスクが生じる可能性があります。
痩せすぎ
ドッグフードの給餌量が不足していると、愛犬が痩せすぎるリスクがあります。
痩せすぎの主な症状には、骨や筋肉の突出、食欲の低下、体力の低下、毛艶の悪化などが挙げられます。
愛犬が痩せていると感じたら、今のフードの量を増やすか、栄養素の高いフードに切り替えるようにしましょう。
肥満
一方、ドッグフードの給餌量が過剰な場合、愛犬が肥満になるリスクがあります。
肥満の主な症状には、糖尿病や内臓疾患、心臓病、運動能力の低下などが挙げられます。
また、足腰に負担がかかり、関節炎やヘルニアを引き起こす恐れも懸念されるでしょう。
肥満はさまざまな疾患を引き起こす原因になるため、適正な給餌量と適度な運動を組み合わせることが大切です。
栄養失調
給餌量が不十分または過剰な場合、愛犬に栄養失調が生じる可能性があります。
栄養失調の主な症状には、毛並みの悪化、皮膚トラブル、食欲不振、消化器官の不調、免疫力低下などが挙げられます。
また不眠や抜け毛などの症状も出ることから、飼い主は愛犬の健康状態を常に観察することが大切です。
バランスの取れた食事が提供できているか、正しい給餌量について知識を持ちましょう。
愛犬に必要なドッグフードの適正量を知って病気のリスクを減らそう!
愛犬に適正なドッグフードの量を与えることは、健康を保つために非常に重要です。
適切な給餌量を守ることで、痩せすぎや肥満、栄養失調などのリスクを減らすことができます。
幼犬から老犬まで、成長段階や体調に合わせて適切な給餌量を計算し、健康管理に取り組みましょう。
定期的な健康チェックや専門家のアドバイスも活用して、愛犬の健康を守ることに努めてください。
正しい給餌量は、愛犬の幸福と長寿に繋がる重要な要素といえるでしょう。